「HUMAN LOST 人間失格」
ご存じでしょうか?
2019年秋公開予定のアニメ映画
私は、たまたま聞いてたNHKラジオのサブカル情報みたいなコーナーで知りました。
勿論まだ見てませんけど面白そうだなとは思いました。
ただ気になったのは
設定
ある傑作を思い出しました
「ハーモニー」
著者の名は・・・
伊藤計劃
PROJECT ITOH
34歳の若さでこの世を去った不世出のクリエーター(小説のみならず漫画も創作)
早世したから過大評価された?
そんな意見も有りますが、個人的には全くそんな事は思いません。
ホントに「次」が読みたい数少ない作家だったので早世は残念です。
没後10年
時が過ぎるのは早いモノです。
ネットざっと見ただけの感想ですが現状、「HUMAN LOST」と「ハーモニー」を関連して論じてる人居ないみたいです。
「HUMAN LOST」の原案に太宰治の名は有りますが、伊藤計劃はありません。
有って然るべきだと思ってしまうのは、ファン心理が過剰すぎるが故の暴論でしょうか?
伊藤計劃大ファンを自称する私ですが、実はその存在を知ったのは没後でした。
あの鮮烈なデビュー作が文庫化された頃ですから遅いですね。
近未来軍事国際謀略SF
全ての要素が個人的ド・ストライク・ゾーン
「俺の為に書いたの?」
そう思ってしまいました。(ヤバい奴)
SFと通俗娯楽小説のバランスも適正で非SF者にも読みやすい。
これがSFとしては異例にヒットした理由の一つだと思います。
「あの文法」の書き込みについて御大小松左京先生は批判的だったそうですが、あそこを掘り下げればSFとしてのクオリティは上がったとしても、難解で一般的には敬遠される、良くあるパターンになったような気がします。
大量に投入されたサブカル蘊蓄も賛否両論みたいですけど、個人的には大喜び。
ワクワクしながら読み進み読書の快楽を満喫して本を閉じた後、再認識
この物語の作者は、もうこの世にはいない
作品全て後追いしました。
と言っても、遺されたオリジナル長編は、もう一つだけ。
それが・・・
「ハーモニー」
闘病しつつ書かれた最後の完成作品
作者の置かれていた現実とは対極のはずの不思議な透明感と静謐に満たされた物語
文庫本359ページから364ページのテクストは暗誦できる位ハマりました。
「メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット」
ゲームのノベライズですが完全に伊藤計劃作品。
伊藤計劃ファン必読
「屍者の帝国」
プロローグのみで終わった未完の絶筆
・・・のはずでしたが
友人でもある円城塔さんが完成させるという奇跡
面白く読ませて頂きましたし、何より円城さん自身のスタイル作風と全く違う事に驚愕しましたが・・・
伊藤計劃さんの作品ではない。
当り前。
でも、伊藤計劃ファンとしては完成させてくれた円城さんに感謝しつつ、こんな、言っても仕方ない事をつい口走ってしまいますよね?
「伊藤計劃第弐位相」というブログは現在でも閲覧可能。
書籍化もされてますが(当然持ってます。どの書店にもなくて入手に苦労した思い出。某出版社様のこの辺の対応「三体」では改善されたようですね)
それ以前のブログ
「Spook Tale」
これ読めなくなってるのは残念
映画評は書籍化されてますけど、それが閲覧不可になった原因?
いつでも読めると高をくくっていたのが悔やまれます。
「HUMAN LOST」が伊藤計劃さん再ブレイクのきっかけになれば良いなぁと思います。
どうでも良い事ですが、一時期一部で喧伝された「伊藤計劃以前以後」という括りは個人的には忌避します。
最後に
『これがわたし。
これがわたしというフィクション。
わたしはあなたの身体に宿りたい。
あなたの口によって更に他者に語り継がれたい。
伊藤計劃「人という物語」』
(「伊藤計劃:第弐位相」 早川書房 早川書房編集部編)
微力ですが、貴方の物語を他者に語り継いでゆきます。
伊藤計劃さんの作品読み返す猫着ぐるみ姉妹の姉。本が気になる玉猫どん。PCが気になるデカ猫氏。 |
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