「五十年目の零戦」
鳴海章作 集英社文庫
あの夏の日から50年後・・・
この日本国内で
零戦を復元して飛ばそうとする男たちの物語(紅一点あり。恋愛なし)
国や大企業ではなく古い車をレストアする民間中小企業がやる。
ハードル高すぎ
でも物語としては面白くなる要素。
結果・・・
面白い
飛行機好きは必読!
リアルです。
復元にあたっての技術的問題が詳細に描かれ・・・
その筋の人(私とか)大喜び
しかし、リアルなのは・・・
復元の詳細だけではなく全てにおいて。
現実的
日本国内で民間人が零戦を復元して飛ばそうという考えは、ぶっちゃけコレ
夢物語
莫大なコストや技術的問題だけでなく
法的問題もありますし(コレ一番難しい?)
パイロットどうするの?
これも大問題。
今なら(合法的に)零戦操縦できる日本人いますけど、作中年代の1990年代半ばにはゼロだったはず。
これら諸問題を、クリアして納得できる物語としてまとめられています。
クリアする方法色々あります。つまり・・・(ネタバレはしません)
夢物語でありながら現実的。
地に足が着いている。
現実世界ともリンクしてますし
まず昭和20年8月16日の厚木基地から始まり
ラストは・・・(ネタバレはしません)
某宗教団体の臭いも漂います。
鳴海章さんの小説と言えば、個人的にはコレ
非リア充男
いわゆる月9なんかとは対極の世界。
作品に現実味を与えますよね?
現実とドラマは違いますよね?
え、違わない?
・・・
感情移入してしまう人もいるでしょう(私とか)
それはともかく・・・
登場人物個人の抱える問題は普遍的で、ここもリアル。
飛行機好きだけの為のマニアックな小説ではありません。
この作品から20年以上が過ぎ・・・
飛行可能な零戦は微増
日本人が零戦を操縦する
当り前のようだが現実的には快挙の実現
色々変化がありました。
栄21型で32型飛ばす計画どうなったんでしょうか?
楽しみではありますが・・・
個人的にはこっちにも動きないかなぁとか思ってます。
紫電21型。私、紫電改って呼びたくないメンドくさいマニアですが何か?J改とも呼ばれてたんですね・・・ |
アメリカに3機、日本に1機、現存しててアメリカの3機はいずれも復元のクオリティ高くて脱帽感謝ですが・・・
飛べない。
飛ばすのではなくオリジナルに忠実に復元する事が目標だったんでしょうけど。
飛ばそうと思ったらFAAの審査パスするために現行部品大量に使う事になるでしょうし
エンジンどうするの?
コレ大問題
零戦や隼ならP&WのR-1830使えますけど
誉21型の代わりはない。
チャンプリン・ファイター・ミュージアム復元機の誉って可動しそうですけど、どうなんでしょう?
だとしても、飛ばす訳にはいかないでしょうけど。
紫電21型って飛行中の写真が殆どないんですよね。
私の知る限り『源田の剣』(ネコ・パブリッシング)
この、私の座右の書に掲載された2枚のみ
実戦中の写真という意味でも貴重ですけど
ちっちゃいシルエット
・・・
「80年目の紫電改」
こんな事あったらなぁと夢想しますけどムリでしょうし・・・
頭の中でだけ実現してれば良いのかも、とも思います。
天翔る紫電21型を想像する猫着ぐるみ姉妹の姉。 |
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