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2019年4月17日水曜日

大林宣彦監督映画「ふたり」の感想。ネタバレ有り。主題歌は名曲。しかし・・・


「ふたり」



1991年公開の大林宣彦監督映画。


最近初めて観たので(遅いですね)感想を・・・






赤川次郎さんの原作は未読です。



近所、学校でも評判の「良くできた子」の姉(しっかり者でピアノ上手くて演劇部花形)

比較される対照的な妹(小説書くの好きで少し不思議ちゃん)

この姉妹の姉が事故で亡くなってしまうが・・・

幽霊となって蘇り、妹を(文字通り)陰から助けてくれる


妹役は石田ひかりさん

初々しい

この一語に尽きます。





姉役の中島朋子さんが良いです。




この作品が公開された1990年代初頭


「ニュー・ビデオ・パラダイス」(株式会社CBS・ソニー出版)

そんな月刊映画雑誌が有りました。

薄っぺらな外見とは逆にコンテンツは濃厚で、個人的には大好きな雑誌でしたが

1年続かず全11号で休刊という名の廃刊になってしまいました・・・(今も全部持ってます)


その「ニュー・ビデオ・パラダイス」第1号に

「ふたり」の話題をメインにした

大林監督とおすぎさんの対談が掲載されていました。

その中で、大林監督は中島朋子さんについて、こう評価されてます。


「女優さんにとっていちばん大事なのは、存在感とかいうけれど、映画のなかで存在感というのは気配なんですよ。その人がスーッと通ると、せつなくなるとか、優しさが感じられるとかね。あの子はそういうものを持っていますからね。」

確かに幽霊役なのに「気配」があります。いや、幽霊役だからこそ必要なのかも。



他に印象的だったのは



吉行和子さん

鬼気迫る程の幸薄感炸裂。短い出演時間ですがインパクト大。
これぞ俳優ですよね。


竹中直人さん

暗いトーンの映画の数少ない明るい要素という事で大林監督演技指導一切せず竹中さんの好きにやらせたのかな?と思いました。
正直、少し暴走気味?


島崎和歌子さん

ダーティーワーク発揮して本来予定されていた石田ひかりさんを押しのけて学園祭演劇の主役をゲット。
芝居終了後、舞台上で、悪びれた様子ゼロで何故か自ら真相告白。

「悪く思わないでね。テへっ」

石田さんのガチ平手を喰らい、上から落ちてきた毛布に巻かれ舞台からも映画からもフェイド・アウト。
石田ひかりさんが事故にあったという嘘電話をかけ、そのショックで石田さんの母親が倒れ入院、石田さん主役がお流れになったんですから当然。

この頃、芳紀17歳のアイドルだった島崎さん・・・





2時間30分の長尺ですが気になりませんでしたし、完成度高い映画だとは思いますが


個人的にはイマイチ乗り切れない部分もあって例えば・・・





セリフ、チョコチョコ違和感


1990年当時でも若い女子が

「談判だ!」

「ナマ言ってるんじゃないわよ」

こんな言葉使いする事は無かったと思います。



あと、大林映画あるあるだと思いますが・・・


合成チャチな箇所が目立つ




しかし、問題は、そんな事よりも



最後に流れる歌。


「風の想い」(超名曲)

劇中でも石田さん中島さんによって断片的に口ずさまれ、この映画の通常底音と化しているのですが・・・

最後にフル・コーラス流れるのは・・・

男の声。

「誰、このオッサン?」(初めて聞いた時の私の素直な感想)






作曲者の久石先生と大林監督のデュエットだそうで・・・




御大二人まさかの降臨!



・・・



悪くは無い




味はある(苦し紛れの定番褒め言葉)




でも、何故・・・?

ここは中島朋子さんと石田ひかりさんの「ふたり」のデュエットでしょ

しかし・・・

巨匠はそんな凡人の予想のはるか斜め上を行くのでした・・・



この巨匠コラボ、一般的には好評みたいですね。

私の感覚がズレてると言う事なのでしょう。





もう一つ気になったのは


姉と妹の物語ですが・・・

原作者、監督、脚本家

全員、男性。

実際、姉妹関係の人達が見ても「分る分る」の世界なのでしょうか?





猫好きとしては、冒頭石田さんの部屋にあった猫柄マグカップにニヤリ。

あと、尾道の町並みが素晴らしい事は言わずもがなですが、猫が居る事で更に魅力アップ。

個人的には、子猫より大猫が良かったのに、と思いますけど。


デカ猫氏抱いてニコニコの猫着ぐるみ姉妹の姉。









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