同志少女よ、敵を撃て
昨日、読み終わったわ。
「面白かったです」
正直ワシは期待外れやったな
「・・・」
てか帯の推薦文ハードル上げすぎやで。
「・・・」
確かに読みやすいし、ま、絶賛されるだけの事はあるわな、と思いながら読んどったんやけどな・・・
「何、その上から目線」
敵に捕まったセラフィマが脱出するトコから一気に冷めたわ
「最後の方ですね」
そやけどアレ・・・
ご都合主義の極みやんけ
ドイツ兵、セラフィマの取引きに応じる必要ないしな。
一応、理由は書いてあるんやけど全然納得できへんわ。
ドイツの大尉さんも有り得ん程ピュアでナイーヴやし。
てかカタキ役のイェーガーもメッチャピュアでナイーヴ
「ナイーヴって言葉の意味知ってます?」
英語本来の意味やのうて日本語の会話で使われる時のニュアンスや。分かるやろ。
イェーガーも凄腕の狙撃兵っちゅう設定やのに、あっさり疑似餌に釣られよるしな。
人間性も含めてカタキ役キャラとしては弱すぎやで
「冷酷非情タイプはベタだと思ったんじゃないですか?」
にしても、あの決着は納得いかんわ
「感情的になって遂・・・って事でしょ」
だからカタキ役としては弱いねん。
ボルト・アクションVSセミ・オートの差で負けたっちゅう展開やったら良かったのに。
「ミリオタ視点ウザ」
プライべート・ライアンに突っ込み入れとったんは良かったわ。
「は?」
あの映画、タイガー戦車のドライバーバイザーにトンプソン突っ込んでたやろ。
あそこ分厚い防弾ガラスはまっとるから45ACPでは絶対抜かれへんわ。
「だからミリオタ視点ウザい」
キャラがベタっちゅうたらイリーナやんけ
冷酷非情やと思たら実は・・・っちゅう奴や。
カタキ役としての落とし前のつけ方もそれでチャラになったしな。
ま、非情に見えたイリ-ナが実は・・・っちゅうトコはエエねんけどな。
ワシ、このタイトルと設定やと、敵の手に落ちたイリーナが辱めを受ける前にセラフィマが狙撃して、イリ-ナのセリフとタイトルがリンクすんのかと思てたんやけど、予想外れたわ
「シロウトに予想されるような事書いたらダメでしょ」
美少年で自称プレイボーイのユリアン君が実は・・・ってのもベタやで。
「ミハイルの件はベタじゃなかったですね」
そやな。男女の恋愛モンにならんかったんも良かったし
「最後までソッチには行きませんでしたね。むしろ、セラフィマとイリーナ、シャルロッタとか、ちょっとユリ系匂わせてるとか」
あざといで。
「・・・」
あと納得いかへんのは・・・
セラフィマの戦うモチベーションやな
1940年代のソ連の少女がアレをトップに持ってけえへんやろ
「何だったら納得ですか?」
納得っちゅうか、現実的には祖国愛とドイツへの敵愾心やろ。
ま、巻末に、この作品はフィクションであり・・・って書いてあるしな。
アレ歴史モンやのうて異世界モノやと思た方がエエんかもな。
「星雲賞獲るかも?って事ですか」
ま、ないやろけどな。
でもアガサ・クリスティー賞獲ってんやな
直木賞獲れへんかったんは妥当やと思うで。
「だから上から目線やめて」
読んでて思たんやけど、コレ昭和12年位の中国大陸を舞台にして中国の抗日少女主人公やったらどうやったんやろう?
「自分で書けば?」
ムリや。
「じゃあ、人の作品にケチつけないで下さいよ」
ワシの能力不足だけやのうて・・・
この設定でリアルな作品書いたら、自称普通の愛国者が日本批判許さんモード入って出版社に圧力かけるやろな。
「ですか?にしても人様の書いた作品の悪口言うのは・・・」
2090円も払ろたんやから文句くらい言わせろや
「私に言われても・・・」
そやな。